未来惑星ザルドス : Zardoz (1974)

2293年という未来を想定し、その時代に人間はどう変化しているかを描いたSF映画。製作・監督・脚本・原作は、ジョン・ブアマン、撮影監督は、ジェフリー・アンスワース、カメラ・オペレーターはピーター・マクドナルド、音楽はデイヴィッド・モンロー、編集はジョン・メリットが各々担当。

監督:ジョン・ブアマン
出演:ショーン・コネリー、シャーロット・ランプリング、セーラ・ケステルマン、ジョン・アルダートン、ナイオール・バギー、ボスコ・ホーガン、ジェシカ・スウィフト、ベアバー・ダウリング、タリストファー・キャッソン、レジナルド・ジャーマンなど。

未来惑星ザルドス : Zardoz (1974)のあらすじ

高度成長を遂げた社会は20世紀末に滅び、1990年にボルテックスと呼ばれる新しいコミューンが誕生し、それから300年経って、2293年を迎えた。ボルテックスとは、20世紀末の最高の科学者と知識人が高度な頭脳と技術を結集して作りあげた理想郷だった。ここに住む人たちは年をとらず、霊を基盤とする生活を営み、性欲はなくなっていた。彼らはエターナルス(永遠の人たち)と呼ばれていた。だがボルテックスの社会にも異分子がいた。永遠の生命に耐えられなくなり、痴呆状態で生き続ける恍惚人間たちと、思想的な罪を犯した罰により老人にさせられた人たちだった。

ボルテックスと外界とは眼に見えない壁で仕切られていて、何者もボルテックスに侵入することは出来なかった。外界は荒涼たる別世界で、そこには人類の生き残りが獣のような最低の生活を営んでいた。彼らはボルテックスに住む人たちのために耕作をする、いうなれば奴隷で、無制限に繁殖することは許されず、定数をオーバーした場合、エクスターミネイターズ(撲殺者)と呼ばれる屈強な男たちが獣人狩りを行なっていた。また、外界の空中にはエターナルスが獣人たちのために作った巨大な首の形をした神像ザルドスが飛んでいた。獣人たちはザルドスを神と信じ、崇め畏れていたが、エターナルスたちはこれで獣人たちが収穫した穀物を運んでいた。

ザルドスを直接にコントロールしているのはアーサー・フライン(ナイオール・バギー)というエターナルスで、ゼッド(ショーン・コネリー)はエクスターミネイターズの隊長だった。ボルテックスのコミューンで幅をきかせているのは女性である。特に指導者コンスエラ(シャーロット・ランプリング)、遺伝学者メイ(セーラ・ケステルマン)、預言者アバロウがほとんどの権力を掌握していた。

ある日ゼッドは自分達がザルドスに裏切られていることを知り、ザルドスを操っているボルテックスの秘密を暴く復讐を決意した。ボルテックスに入るためにザルドス内に潜入したゼッドは神像を操るアーサーめがけて発砲、首尾よくボルテックス潜入に成功した。だがたちまち捕われの身となり、取調べを受けることになった。やがてフレッド(ジョン・アルダートン)という男性のエターナルスの案内でボルテックスに住む人たちの生活を見ることが出来た。例えばコミューンの理念を失った痴呆者や、反逆者として老人に転落した人たちの惨めな姿だ。そのフレッドも反対制的な言辞を弄する罪で反逆者の烙印をおされ、老人組に入れられてしまう。

一方、遺伝学者メイは、強力な生殖力をもつゼッドに魅せられて、彼を救出した。コンスエラもメイと同じ思いだった。彼女たちは、ゼッドによってすでに枯渇していた性への欲求を呼びさまされたのだ。そのゼッドの眼に映ったボルテックスは、所詮人間の理想郷ではなく、永遠の生命と引きかえに人間性を喪失していた。かくてゼッドは、彼に味方するアバロウやフレッドや生き返ったアーサー・フラインたちの力を借りてボルテックスの人々を解放するために立ちあがった。エクスターミネイターズが生に倦んだエターナルスたちを殺戮し、たちまち周囲は血の海となり死体の山が築かれていく。コンスエラとゼッドはザルドス内に逃げ込み、生きのびた。数ヵ月後、コンスエラが赤ん坊を生んだ。そして次第に老いていく2人。やがてそこには1対の骸骨が転がっていた。

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